【今日のINPUT No.112】 買った理由説明できますか? 何となく買ってしまったものこそマーケティングすべきことである。
【まとめ】
人の行動は全てが合理的ではない。不合理に動いたその理由を紐解くと新たなビジネスチャンスがあるかもしれない。
あなたはものやサービスを購入した後、「何でこれ買ったんだっけ?」と思うことはないだろうか。人は合理的に考えて、ものを買っているようで買っていない。
今、Z世代にガラケーやルーズソックス、ペケベルが流行ってきているらしい。平成初期の製品で「平成・昭和レトロ」回帰の現象がきている。これも性能で考えれば、最新のものの方が良いのに、あえて手間のかかるものを選ぶ。これも合理的に説明できない、「本能」の行動である。
今回はマーケティングの話である。マーケティングの1歩目として、「消費者の理解」があげられる。B to Bの場合は意思決定が合議制ということもあり、論理的に物事を決めている。B to C向けの場合はこのようにはいかず、人間は本能的、情緒的に意思決定することを考慮しなければいけない。
企業でのマーケティング業務と聞くと、消費者の行動を調査することが上がる。そして、大体がWebを経由した定量調査である。しかし、Web調査からは「なぜその商品やサービスを購入したのか」、理由を明らかにすることはできない。
それは人は本能でした行動を言葉にすることができないからである。「合理的な判断」よりも「本能」が勝っているから説明がつかないのである。
この、「本能で買った理由」の言語化をすることがマーケッターのの腕の見せ所である。 楽しそう、美味しそう、使いやすそうなど、こういったレベルの感情は言語化できるが、このレベルの言語化だとマーケティングとして活用できない。
普段論理的に物事を判断する人でも、スマホゲームの課金をしている人はいる。その人の理由は誰か勝ちたいという闘争本能、レアアイテムを自分で所持したい所有欲,このような本能的なものなのである。
このように、合理的な判断できないもの=「本能」があることを理解し,言語化するトレーニングが必要である。
そのトレーニングとは「自分の行動理由を言語化すること」である。まずは自分の経済合理性や消費者心理を理解することが消費者理解に近づくのである。
そして、次のステップとしては一番コアなユーザーの心理を紐解くことである。コアなユーザーの頭の構造を理解することが、人を動かす「本能」を言語化することに繋がるのである。
マーケティングで重要なのは、コアな人の心理を理解することであり、定量調査で広く浅く聴取しても、その結果からは「特徴ある製品・サービス」は生まれない。まずはコアユーザーの心理、次にそれがその程度世の中に当てはまるのか、全体の定量調査は最後にした方が良い。
「本能」の理解は、自分がお金を使ってやってみることが一番の近道である。経験が理解に繋がる、エスノグラフィーという手法もあるが、その状況に自分もいることで見えなかったものが見えるのである。
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【今日のINPUT元ネタ】
■Voicyチャンネル
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企業分析ハック
■放送タイトル
マーケティングの第2歩は人間の本能を理解すること
■放送日
2021/12/3